マッサージチェアの話
昨年の大晦日、いつもなら実家ではダラダラと紅白歌合戦を流してそれを見ているのだけど、
21時頃にはそれにも飽きてきたので、初の試みとして母と弟と徒歩15分くらいのスーパー銭湯に行った。
岩盤浴もついているそこそこ大きな施設で、大晦日にも関わらず駐車場もそこそこ車が停まっている。
本来なら専用館内着のある(つまり男女でわかれていない)岩盤浴で存分に汗をかいてからお風呂に移動するのが推奨ルートだろうが、
完全に油断していた私たちは浴場に向かい、男湯と女湯にわかれ1時間後に出口で待ち合わせることとした。
結婚式のために髪の毛を伸ばしており美容師に『梳くのはやめておきましょうね〜』と言われていた私は、
備え付けのドライヤーで髪を乾かすのに手こずり、ナチュラルに約束の時間を10分ほど過ぎてしまった(母はその間、牛乳を飲んでいた)。
少々立腹した弟に謝りながら、私たちは先述の通り順番を間違えたことに気づいた。
せっかく一年の疲れを洗い流し髪の毛も乾かしたのに、これからまた岩盤浴→お風呂コースを選べば、それこそ日付が変わってしまうではないか。
安くはない入館料を払ったので少し悩んだものの、弟は再び浴場でゆっくりすることにし(髪の毛もすぐ乾くことだし)、
私と母は広い待ち合いスペースで火照った身体をクールダウンしながらそれを待つことにした。
簡易の散髪屋やハンドマッサージコーナーをのぞいていると、隅っこにマッサージチェアがあるのに気づいた。
10分200円。
家電量販店なんかでは良く見るが、実際に座ったのははるか昔の家族旅行で温泉旅館に行った時くらいだろうか。
ただただ座って待つのも暇だし、私と母は200円をマッサージチェアに貢ぐことにした。
……私の知らない間に、マッサージチェアは進化していた。
せいぜい背中と肩をとんとんしてくれるくらいのイメージだったのだが、まず、肘掛けに腕をつっこむところがある。
え、そこもマッサージしてくれるんですか。
揉み方も自由自在。
タップしてくれるような軽いものから、人の手で揉まれているような感じ、さらに骨に向かいごりごりしてくれるモードまである。
何とまぁ、理想通りにカスタマイズが可能なのだ。
夢のような10分間を過ごし、母と顔を見合わせた。
マッサージチェアは凄い。
そして、Panasonicはマッサージチェアも作っていたのか……。
1月の末、入籍して隣県に移り住んだ。
新居からも歩いて10分くらいのところにスーパー銭湯がある。
たまには壁に囲まれたマンションのお風呂でなく、大きなお風呂でゆったりしたいな〜という時に、夫と向かう。
(夫は身長が日本人の平均より高いので、おうちのお風呂では足を伸ばしきれない)
そしてそこにもマッサージチェアが2台ある。
日本メディックの『あんま王』というブランド(?)で、リモコンに『無重力』という、心くすぐる名前のモードがある。
スタートボタンを押すと、全身をぎゅーっとエアーで程よく圧迫され、ゆっくりリクライニングし、夢心地。
キングを名乗るだけのことはあるな。
あんま王Ⅲ | 業務用マッサージチェアなど健康機器は日本メディックへ
正直街場のマッサージ店は入るのにハードルが高く、お値段も可愛くない。
デスクワークで首や肩は凝っているが、立ち仕事の人ほど全身を酷使しているわけではないので、対人で揉んでもらうのは気が引ける(?)。
私が施術してもらうくらいなら、もっと疲れてる人がマッサージされるべきである、と何となく思ってしまう。
今のところ、マッサージチェアに座れるところが家電量販店かスーパー銭湯か宿泊施設くらいしか思いつかないのだが、
大きな駅の待合室に2〜300円くらいで置いてあったら電車待ちの時間に使うのに……と考える。
もしくは、雑居ビルの一室、ブースごとにマッサージチェアがずらっと並んでいる専門店があれば、通い詰めるだろう。
もし気軽にマッサージチェアが利用できる場所があれば知りたい今日このごろ。