やる気の話
つい先日、結婚式を挙げた。
特に凝った演出もないし、余興も用意しなかった、本当にアットホームな雰囲気を目指した式だったので、
衣装も髪型も秋口には決まっていたし、そんなに忙しくはならないだろうとタカをくくっていた。
しかし、ちょっとだけPhotoshopがいじれるから、招待状も席札もメニュー表も席次表もウエルカムボードも自作にしてみたところ、
私は自分自身の時間の使い方の下手さを26年生きてきてまだわかっていなかったのかというくらいひぃひぃ言う羽目になり、
何とか挙式前々日の晩には必要なものが全て揃ったが新婚旅行の用意が出来ておらず、今度はパッキングに追われることとなった。
今までこんなに多くの人を招いてイベント(披露宴はイベントだと思う)をオーガナイズしたことがあっただろうか、否、ない。
おっきなサークルで呑み会係をやっていたわけでもないし、フロアを貸し切ってのイベントを開催するパーリーピーポーだった記憶もない。
当日は心臓がバクバクし、食べなきゃドレスの締め付けで倒れると思い詰め込んだ朝食がリバースしそうだったが、
ヘアセット・メイク・ドレスの着付けが終わって美容室を一歩出た瞬間から結婚式は始まった。
美容室の前には義父がいたので
「おはようございます、本日はよろしくお願いいたします」くらいはきちんと立ち止まり言いたかったところを、
介添さんに手を取られすぐさま親族控室へと歩み始めることとなり、「おは……」と言って終わってしまった。
何しろ進行表は分刻みなので、介添さんに導かれこなすので精一杯、あれよあれよと気付けばプチギフトを配っていた。
途中からだんだん楽しくなってきて、友人に撮ってもらった写真にはいい感じの笑顔でうつっているので、ハイになれて良かった。
途中、高砂からおりる時にドレスの裾を踏んづけあわや前のめりにどんがらがっしゃーんと行きそうになったが、
私が何もないところでもつまづくことと当日15cmのヒールを仕込んでいることを知っていた夫が咄嗟に出した手のおかげでセーフだった。
もしあのまま転倒していたら救急車で運ばれることとなったのだろうか、危ないところだった。
当日夕方には式が開き、話足りない学生時代の友人達に呼び出され19時半ごろまでベルギービールを呑み、
それから夫の学生時代の友人の呑み会にお邪魔して23時頃まで東通り商店街内の居酒屋を何軒か回って、
明日早朝から新婚旅行のために空港行きのバスに乗らねばならんというのに、お酒が抜け切らないままシャワーを浴びて床についた。
一週間の新婚旅行もあっという間で、『え、7日間も行ってたの?本当に?』と今でも信じられない気分である。
私と夫は“逆・精神と時の部屋”に閉じ込められVR新婚旅行をしたのだろうかと思うくらい。
まぁそんなイベントを終えて3週間ほどになるわけだけれど、やる気が戻ってこない。
燃え尽き症候群である。
折しも、仕事は忙しい時期を迎えている。
洗い物はためたくないので最低限しているが、洗濯物を取り入れても畳まずにソファに置いているし、家計簿も全然つけていない。
ゴミ出し、お風呂掃除に関しては100%夫に丸投げしている。
春の新アニメを観るくらいしか自主的にやろうということがない。
このままじゃ結婚早々夫に愛想を尽かされかねないので、私だけのやる気スイッチを見つけてポチッとしたいところだ。
CMみたいに簡単に見つかれば苦労しないぜ。