髭のツアーファイナルに行った。
きっかけは友人がこの公演を見つけ、私が以前彼女に『髭が好き』といったそのことを覚えていてくれたから誘ってくれたのだが、結果として、いやぁ、行ってよかった。
髭というバンドのことを知ったのは2006年のこと。
大阪南部が日本に誇るフェスことRUSH BALLのオープニングアクトをつとめていた彼らを観て、
ヴォーカルの須藤さんのまるで海外小説の翻訳みたいなMCと曲の世界観に呑み込まれ、
初めてバンドを知ったのにもかかわらずフェス会場でCDを買ってほくほくしながら帰ったのであった。
余談だが、次の週、高校の校内放送でお昼休みに髭の曲がかかり、タイムリーすぎてビビってしまった。
どうやらその曲をかけた人はブラスバンド部の幽霊部員で放送部をかけもちしていた男の先輩で、もし機会があれば一度お話ししてみたかったのだが今となってはそれも叶わない。
あの人も泉大津で髭を観たのだろうか。
アルバムとしては2010年の『サンシャイン』くらいまでしかきちんと追えておらず、ライブも2007年のRUSH BALL(2年連続で行った)を最後にワンマンにも行かなかったのだけれど、
今日のセットリストはそんな私でも満喫できる感じで、『あ〜ライブって〜本当にいいものですねぇ〜』と水野晴郎状態になってしまった。
『ボニー&クライド』『テキーラ!テキーラ!』『MR.アメリカ』辺りはにへにへしながら踊っていた。
そして、新曲の『トマト』が自他共に認めるロマンチストな須藤さんワールド全開で、絶対次の音源は買わねばと決意させられた。
ノリの良い曲はもちろんだが、髭のしっとり、しんみりした曲はたまらなく胸に来るものがあるのだ!
須藤さんは最初から全力投球で、歌うのもギターを弾くのも楽しくて仕方ないといった感じで、観客には真似出来ないレヴェルで全身全霊を音楽に委ねていた。
始終にこにこと笑みを絶やさず、汗だくの39歳。
もちろん須藤さんだけでなく他のメンバーも、本当にパワフルで、音源以上に髭の楽曲を魅力的に鳴らしていた。
個人的に、サポートの佐藤謙介さんのドラムがとってもアガる感じで、久々に踊ってしまったよ(詠嘆)。
髭って、いわゆる“ライブバンド”だったのだなぁ。
結局就職でも東京に行かず、転勤の予定も今のところなく、結婚予定の相手も関西勤務の自分にとって、
ツアーファイナルを大阪で演ってくれるバンドって凄く嬉しくてたまらないし、こちらも歓待したいと思える。
デビュー10年を超え、ファン層も30代以上がメインなので、ステージに近いところで見ていてもぐいぐい押されることはなかったのだが、
それであっても今晩のライブは皆、大いに踊り、須藤さんとの『Are you ready?』(2拍タメてからの)『Yeah!』の掛け合いを楽しみ、汗をかいた。
MCも茶目っ気たっぷりでドカンドカンと笑いが起きていたのだが……詳細は行った人だけのお楽しみということで。
はぁ、また行きたいな。