ごった煮イマジネーション

140字じゃ足りないあれこれ。

小沢健二『魔法的 Gターr ベasス Dラms キーeyズ』2016年6月5日@Zepp Namba

小沢健二のツアーに行ってきた。

e+でチケットを取ったのだけれど、今回はスマチケなるサービスを利用してくれということで、
チケットをもぎるのではなく、スマフォの画面を係員に見せて操作してもらって入場という流れだった。
スマフォは大抵において携帯するように心がけているので、発見したあとチケットがどっかいったり持参し忘れたりがないけれど、
手元に『モノ』が残らないというのは少しばかり落ち着かないというか、証拠がなくてさみしいなぁ。
音楽は聴くけれど世の中の『音楽ファン』ほどそんなに頻繁にライブに出かける方でないので、
今までメジャーの人が演るようなサイズのハコってなんばHatchとBIG CATとオリックス劇場の3つしか赴いたことがなかった、はずだ。
大学の卒業式の大阪城ホールはノーカンで。
Zepp Nambaは今までで一番大きいサイズだし外側はよく知っていたけれど勝手がわからなかったので、とりあえず開場25分前に着いたら、物販が撤収されていた。
Tシャツと魔法的電子回路を購入しようと思っていたのに……。
着替える気まんまんだったので、昔先輩にいただいたCorneliusのTシャツを着てきてしまった。
何となく後ろめたくて入場待ちの間はしっかりと上着でガードして、正面から見なければわからないようにしていた。
周りに並んでいる人はだいたい歳上で30代半ば〜40代が多く、男女比は3:7くらいかな、予想ではもっと男性が多いと思ってた。
 
ここからライブのネタバレを含む。
会場内へ入ると物販コーナおよびドリンクカウンタはごった返していて、長蛇の列に並びTシャツを買いトイレで着替えるのも、ドリンクをゲットし飲み干してゴミ箱に捨てに行くのも煩わしく思え、終演後にパスすることにした。
魔法的電子回路(クリスマスツリーに巻き付けるようなLEDライト)は客席でもおねいさんが手売りしており、無事開演前に購入できた。
会場内は並んでる時に感じた男女比よりも男性が多いような印象だったけれど、夫婦や交際相手を伴って来ている人が多いのかな。
開演ギリギリに、背の高い女の人と男の人が、お二人の前に空いたスペースに私を招いてくれた。
あまりに私の背が低いので気を使ってくださったご様子。
実は目の前に背の高い方がいたので内心とっても困っていたところで、大変ありがたかった。
整理番号があまりよろしくないと思っていたのだけれど、結果的にはとてもラッキーだった。
ライブもこのまま楽しめたらいいなぁと思いながら開演を待つも、定刻より遅れること7分ほどで、やっと始まった。
最初の曲、『昨日と今日』のアレンジが、想像以上にファンキーで縦ノリで驚いた……スタンディングにしたのは踊れということか!
小沢健二が『このツアーのために最近詩と曲を書いたもの』と言った曲、すなわち新曲にはもれなく歌詞が映し出される仕様となっていた。
それらの曲たちは今までのアルバムどれとも違っているようで確実に小沢健二の過去の音楽と繋がっているようで、ドキドキしながらどの曲も噛み締めた。
舞台上はほぼほぼドラムしか見えず、唄ったりギターを弾く小沢健二の姿は他の人の頭の間から覗くほかなかったけれど、遠目には昔と変わらぬように見えた。
簡単な振り付けをやる曲がいくつかあったけれど、おそらく舞台上で小沢健二がレクチャーしてくれているそのお手本が見えず、出来なかったのが残念。
サメのダンス、やりたかった……英語バージョンではswim for your lifeって言ってた……。
『ドアをノックするのは誰だ?』『ラブリー』などのキラキラ王子様モード全開な時代の曲も出し惜しみせず、観客に『唄って下さい』と催促していたのがとっても意外だった。
MCもそんなに多くはなかったけれど、淡々としすぎていることはなく、『海遊館にサメを観に行った、大きくてびっくりした』なんて言っては笑いを誘っていた。
『強い気持ち・強い愛』は特に好きな曲で、作曲は筒美京平だから素晴らしいのはもちろん、歌詞を通してにじみ出る人生観のようなものがたまらない。
唄えと言われたので臆さずどうどうと唄ったけれど、大サビでうっかり涙が出てきそうになってしまった。
サポートメンバーはとても豪華で、特に私はドラムとキーボードがとても良い味とグルーヴを作り出していると感じた。
新曲群の中では『流動体について』がとりわけダンサブルで気に入ったのと、『飛行する君と僕のために』で歌詞に出てくる稲妻を白い照明をちかちかさせて表現していたことに思わず拍手を送りたくなった。
以前のツアーで音源化されていないものと、今回の『魔法的』でやった7曲をあわせてちゃんとアルバムとしてリリースしてほしいなぁ。
今回ライブを見送った人にも聴いて欲しいと思う、素敵な曲達だったので。
アンコールが終わって、皆でカウントダウンをさせられて、『日常に帰ろう』という言葉とともに、魔法がとけた不思議な夜だった。