こどもの日、もとい端午の節句だったので、お風呂に菖蒲の葉が入っていた。
母は節句のたぐいを大事にする人なので、例えば冬至の際もお風呂にゆず、晩ごはんにはかぼちゃが必ず出てくる。
『菖蒲』=『しょうぶ』=『勝負』から来たのだと思っていたのだが、これを書きながら調べたところ、正しいのは『尚武』らしい。
そういえば、中学・高校時代に英語の課題で、『日本の年中行事について◯◯語程度で説明しなさい』といった主旨の英作文が出た気がする。
面倒くさがりだったので、ちゃっちゃと電子辞書で調べて適当な語数になったら切り上げていた覚えがあるが、
色々な文献にあたりながら(もちろんネット上のソースでも構わないけれども)深く考えていれば、自分自身の認識を改めることもできて一石二鳥だったのにな。
その頃は『実際にこういう事柄について外国の方に説明することはそうそうないだろう』と思っていたが、浅慮だった。
そもそも自分自身が外国語学部に進んだのも、高校生までは学ぶことのなかった言語を通じてその国の文化や思想に触れられることに興味を持ったからで、
大学以降はそれと同じく日本語を学ぶ外国の人は勿論のこと、知的好奇心を伴って日本の文化について知りたいと思ってくれている人にも多く出会うこととなった。
下宿を引き払うときにこたつを引き取ってくれる人をFacebookで探した際に、イタリア人の知人から『どういう意味?』みたいなコメントがついたので、
こたつについてのイタリア語記事を引用しながら、『こたつってこういうもので、引き取り手を探してるんだ』と応えた。
そのイタリア人はそれまでこたつというものを知らなかったそうだが、それを読んで『そんないいものならジェノヴァに送って』とジョークで言ってくれた。
結局こたつ自体は間谷に引っ越してくる予定の友人にお譲りした。
画像を見せながら説明するのは有効だけれど、逆に相手の文化でいうとこんなことだよ〜みたいなのを伝えられるようになりたい。
そういう力を身につけようと思うなら、日々のこういうしょうもない文章を別の言語で書くのも一手か。
見逃していた『SHIROBAKO』20話を観たので、これで全話観たことになる。
1クール目では周囲(主に木下監督と高梨)に翻弄され、2クール目ではまさかのデスクに就任し、後輩のフォローもしつつ作品全体の制作進行をするおいちゃんが、
時々悩んだり落ち込んだりしているシーンは見受けられつつも、おおむね前向きに『なんとかします!』と頑張っているのが、観ていてとってもまぶしかった。
また、アニメ制作の現場が色んな意味でキツいのは何となく知っていたけれど、全体としてはこういう風に動いているんだなって、少し理解が進んだ。
監督・水島努とシリーズ構成・横手美智子のタッグはとっても好きなので、もちろん観る前からわくわくしていたんだけれど、
もっとギャグが多いかなと思っていたらそうでもなく良い意味でびっくりさせられたし、毎回続きが気になってしかたなかった。
キャラクターデザインが可愛いのも観る分には嬉しく、中身の部分については、登場人物の長所も短所もそれぞれ描くところがフェアだし人間味があると思った。
例えば瀬川さんはおいちゃんから見たら仕事が早くて上手い頼りになる原画さんだけれど、ずばずば言うし特に男の人にはキツいから周囲の反応は良くなかったりするところが、とてもいい。
音楽もOP・ED、劇中のインストゥルメンタル、そして『山はりねずみアンデスチャッキー』のどれも聴いてて愛着が湧いた。
最後に俗物的(?)なことを書いておくと、円さんの鍛えた肉体と、二の腕とTシャツのフィット感に並々ならぬ情熱を感じた。
むきむきでなくても、ちょっと鍛えてるぞって人の半袖Tシャツ姿はすごくいいものだ。
お仕事に対してしっかりされているところも含め、円さん大好きです。
見た目と言えば、この作品はメガネキャラが多く登場するのに、メガネをはしょらず描いてあって、それもすごいと思う。
フレームの選び方にもみんなの個性が現れてて、こだわりを感じた。
丁寧に作られたアニメは観ていてとても楽しかった、円盤も買おう。